現代中国 日常生活概要 №1~№4 読めば生活感が分かる♬

John Nan
May 18, 2021

▼ 大学は、ほぼ全寮状態

今の中国の大学生のほとんどは、大学の寮に住んでいます。親元から通っていたり、部屋を借りて住んでいたりする人たちも、多少はいるのかもしれませんが、本当に少ないようです。そして、留学生などを除けば、標準的には、4人から8人くらいの相部屋の寮に住んでいるようです。ほぼ全ての大学生が、四年もの長い間、相部屋に住んで卒業していることは、普通に考えれば、今の中国の30代以下くらいの人たちの、物の考え方や感じ方に、大きな影響を与えているかもしれません。

▼ 団地住まい

都市に住む、いまの中国人の圧倒的多数は、日本の言葉でいう、団地(低層階)か、集合マンション(高層のマンション林立群)に住んでいます。日本でいう一軒家は、都市部では、ほぼ無くなっており、ごく一部だけ、郊外の別荘みたいなもの、として残っているばかりだと思われます。大都市の中国人は、今は、ほぼみんなといっていいほど、ほとんどの人は、団地か集合マンションで暮らしているんです。

これらの団地などは、中国では広く「小区」(xiǎoqū)と呼ばれています。(中国語の読みは、日本人が聞いた感じの音だと、シャオ・チューだと思います)。一種の生活単位です。

中国はもともと人が多いので、それぞれの小区の人口も多く、小区の中に、食品や雑貨を売るような小さなスーパーが一つか二つ、幼稚園も一つか二つ、あるところが多いのではないかと思います。

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【写真0–1説明】 小区の例。これはたぶん7階建てと思いますが、20階建てくらいありそうな高層ビルが林立している小区も多いです。新しい小区は、比較的高層タイプが多いかもしれません。内部は、ある程度、空間的に余裕があって、緑化されている場合が多いと思います。

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▼ タクシーは前乗り。近い人同士の距離

中国では、タクシーに乗る時は、3対7くらいの比率で、後部座席ではなく、運転手の隣の席に座る人のほうが多いです。これは、後ろのシートが空いているかとは、まったく関係がなく、運転手の隣、日本で言う「助手席」に、自分から乗る人が多いんです。不思議ですよね。これは、中国にそんな決まりがあったり、あるいはそれが、エチケットだから、とかいうのではなく、お客さんの自発的な気分から、運転手の隣に乗っているんです。

私も、中国では九割がた、運転手の隣に座っています。私もそうですが、乗ったら運転手と話をする人が多いです。中国の女性も、男性と同じように、前に乗るか、あまり注意して見ていないので、比率は分かりませんが、女性が前に乗るのも、私は何度も見ています。

中国の人たちは、人同士の心理的距離がとても近く、ひとを恐れない感じなんです。この点、ホントに日本と違います。

▼ 夫婦別姓

私の印象としては、中国の夫婦仲は、どちらかに愛人がいない限り、日本よりだいぶよい感じです。親子関係も日本よりだいぶ近い。私が長く住んで受けた感じです。また、中華圏では、少なくとも大陸の中国では、名前は、「夫婦別姓」です。中国は、その「婚姻法」の第11条で「夫婦は各々自分の姓名を使う権利がある」、と明確に規定されています。ですから、中国では、結婚しても、男、女ともに、姓名が一切変わりません。例えば、男性の王博文さんと、女性の張蘭蘭さんが結婚すると、結婚後も、王博文さんは王博文さんだし、張蘭蘭さんは張蘭蘭さんのまま、となります。生まれた子供の姓は、両親で決めて、どちらかの姓にするようです。今のところ、一般的には父親の姓を取って、子供の姓としている夫婦が多いようです。

最初にも書きましたように、中国の家族は、一般的に夫婦仲は日本の家族よりよく、親子でも、頻繁に行き来や、電話連絡があったり、母と娘は手をつないで歩いている場合があるなど、家族の絆は日本の家族と比べてかなり強い印象があります。それを考えると、日本で夫婦別姓に反対な人たちが、姓を別にすると「家族の絆が弱まる」、と言っているのは、どうなのかな、と思いますが。

以上は、私の本「ライブSNS時代の中国:人・街・笑顔」からの転載です。分量が少ないので、Amazon出版規約上の問題はないことをサポートで確認済みです。

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